現今のクラシック音楽界に巨匠は最早存在しないし、今後も現れ得ない。戦後の急速な国際化=アメリカ化に、クラシック音楽界も飲み込まれてしまった。かつての音楽の地域性は、恰も「悪」のように古くさいものとして扱われ、虐げられてしまった。

音楽に国境はない、と言う。たしかにそうだ。しかし、国籍はあるのである。国際的な音楽などありはしない。そこにあるのは、ドイツのベートーヴェン、ドイツのワーグナーである。

そういった風に考えると、アドルフ・ヒトラーは最大の犯罪者である。ヒトラーは、ドイツの国際化を急激に早めてしまった張本人である。ヒトラーによって、古き良きドイツは徹底的に破壊され尽くしてしまったのだから。

ここでは、よき時代のクラシック音楽を紹介していきます。

(ファイルは大変重いですm(_ _)m)

 

J.シュトラウス2世 ワルツ「美しく青きドナウ」
エーリヒ・クライバー指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

1932年録音
Johann Strauss(Sohn)
"An der sch
önen,blauen Donau"
Dirigent:Erich Kleiber Berliner Philharmoniker
(Aufnahme in 1932)

2002.1.14

ヨハン・シュトラウス2世は、ワルツ王と呼ばれ、何百曲というワルツ、ポルカを残した。
父親の名も同じ”ヨハン”である。こちらは、ワルツの父と呼ばれ「ラデツキー行進曲」が
代表作である。
この「美しく青きドナウ」は、1866年の普墺戦争で
オーストリアがプロイセンに敗北した翌年の1867年に作曲された。
戦争に負けて、落ち込んでいたウィーンの市民を元気づけようとシュトラウスが作曲したのが、
この曲なのである。
元々は男声合唱のための曲だったが、今は合唱付きよりも管弦楽だけの演奏機会が多い。

エーリヒ・クライバーは、ウィーン生まれの指揮者。
クライバーが振ると、どんなオーケストラでもウィーン風にしてしまう、と言われた。
1923年、弱冠33歳の時、ベルリン国立歌劇場の音楽監督に任命されている。
彼はユダヤ人ではなかったが、ナチスが政権を握るや、
1935年、ゲーリングの説得を振り切り、
「音楽は太陽や空気のごとく、全ての人間のためにあるのだ」
と言い放ち、ドイツを去った。

ナチスは、ユダヤ3Mとして、マーラー(Mahler)メンデルスゾーン(Mendelssohn)
マイヤベーア(Meyerbeer)を徹底的に排除した。
ライプツィヒ・ゲヴァントハウスのメンデルスゾーンの像を破壊した暴挙は有名である。

だが、全てのユダヤ人作曲家が排除されたわけではなかった。

そう、J.シュトラウスである。
シュトラウスは、ユダヤ人であったが、ナチスでさえもその音楽を禁止することは、
出来なかった、と言われる。
寧ろ、当時あまり知られていなかったこの事実をナチスはひた隠しにしようとしていたようである。

ナチスに抵抗した男エーリヒ・クライバー、その素性をひた隠しにされたJ.シュトラウス、
そして、この録音がなされたナチス制覇前夜の1932年、「黄金の20年代」の終焉。

私にはこの録音からは色々なものが見えてくる。

2002.1.14

W.A.モーツァルト 歌劇「フィガロの結婚」序曲より
オイゲン・ヨッフム指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

Wolfgang Amadeus Mozart
Overture"Le Nozze di Figaro"
("Ouvert
üre zu Figaros Hochzeit")
Dirigent:EugenJochum Berliner Philharmoniker

2002.1.14

ヴォルフガング・アマデーウス・モーツァルトは、数々のオペラを書いたが、
最後の「魔笛」だけがドイツ語で、他は全てイタリア語である。
この「フィガロの結婚」もイタリア語である。
ただ、1960年代初頭までは、各国とも原語ではやらず、その国の言葉で上演していた。
ヴィルヘルム・フルトヴェングラーの残したディスクもドイツ語である。

オイゲン・ヨッフムはブルックナーなどに名演奏を残した、ドイツの指揮者。
カラヤンなどの華やかさの陰に隠れて、不当に評価されていた面もあったが、
近年、再評価が進んでいる。

ここに挙げた演奏は、戦前のニュース映画の音源と思われる。
残念ながら、抜粋である。

しかし、ここに聴くヨッフムの演奏のなんと若々しくみずみずしいこと!
抜粋なのが大変残念。

2002.1.14

R.シューマン 歌曲集《ミルテの花》作品25より
「くるみの木」
テノール:レオ・スレザーク
1928年録音
Robert Schumann Der Nußbaum
Tenor : Leo Slezak
(Aufnahme in 1928)

2001.5.23

ロベルト・シューマンは、ドイツ・ロマン派の大家。
ピアノ曲にその真価があらわれているが、歌曲も素晴らしい。
この「くるみの木」は、シューマンの、現実と夢の境が定かでない、
ドイツ・ロマン派を代表するような名曲。

レオ・スレザークは、かのグスタフ・マーラーがウィーンの宮廷歌劇場で
最も信頼していた歌手。今の歌手では、到底表現出来ないような、
素晴らしい歌唱がそこにはある。

2001.11.4

R.ワーグナー 楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
ハンス・クナッパーツブッシュ指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

1928年録音
Richard Wagner "Die Meistersinger von Nürnberg" Akt 1. Vorspiel
Dirigent:
Hans Knappertsbusch   Berliner Philharmoniker (Aufnahme in 1928)

2001.4.27

ワーグナーは言わずとも知れた、ドイツの大作曲家。
指揮するハンス・クナッパーツブッシュは、20世紀最大のワーグナー指揮者。
この録音は、クナが若き頃、ドイツ・ポリドールに残した
ワーグナー管弦楽曲集からの一枚。

後年のうねるような大きなスケールの演奏とはまた別の直截な演奏が
聴くことが出来、微笑ましくもある。

2001.11.4

戻る